携帯代滞納の時効は5年！時効援用の手続きと滞納でも契約可能な格安SIM

「携帯料金の未払いがあるけど、時効で踏み倒すことはできるのか？」
「10年前の携帯未払いがあるが、どう調べればいいかわからない」
「滞納中でも新規契約可能な方法はないだろうか」

このような疑問や悩みを抱えている方は決して少なくありません。

携帯料金の滞納問題は、時効という法的制度により解決できる可能性がありますが、実際にはドコモやauなどの大手キャリアが積極的な法的措置を取るため、単純な踏み倒しは極めて困難です。また、時効の援用にはデメリットも存在し、知恵袋などで見かける安易な情報を鵜呑みにするのは危険です。

一方で、携帯料金未払いの時効援用が成功すれば、法的な支払い義務を免れることができます。ただし、その後の新規契約可能性や信用情報への影響など、総合的な判断が必要となります。

この記事では、携帯代滞納の時効について、基本的な法的知識から実践的な対処法まで詳しく解説します。10年前の携帯未払いの調べ方、時効援用の具体的手順、滞納中でも契約できる格安SIMの情報、債務整理との比較検討まで、あなたの状況に応じた最適な解決策を見つけるための情報をお伝えします。

携帯代を滞納した場合の時効の基本知識と成立条件

ここでは携帯料金の滞納に関する時効制度について、法的な基礎知識から実際の成立条件まで詳しく解説します。多くの方が「5年経てば支払わなくてよい」と考えがちですが、実際には時効援用という手続きが必要で、さらに様々な更新事由によって時効がリセットされる可能性があります。

大手キャリアや債権回収会社は時効成立を阻止するための法的措置を積極的に行っており、単に期間の経過を待つだけでは解決できない複雑な状況が生まれています。また、時効援用には予想外のデメリットやリスクも存在するため、安易な判断は避けるべきでしょう。

• 携帯料金の未払いは基本的に5年で時効が成立する
• 10年前の携帯未払いでも時効が成立しない場合がある
• ドコモやauなど大手キャリアでも時効の踏み倒しは困難
• 携帯の時効援用にはデメリットとリスクが存在する
• 時効が更新される具体的なケースと注意点
• 債権回収会社への譲渡後も時効期間は変わらない

携帯料金の未払いは基本的に5年で時効が成立する

携帯料金の滞納については、民法166条に基づき原則として5年で消滅時効が成立します。これは2020年4月の民法改正によって統一された新しいルールで、従来の複雑な時効制度が整理されました。

ただし、時効が成立するためには単に5年間が経過するだけでは不十分で、時効援用という法的手続きを行う必要があります。この手続きを怠ると、たとえ5年以上経過していても支払い義務が残り続けてしまいます。

携帯料金の時効成立に必要な条件

• 最後の支払いまたは請求から5年間が経過している
• その間に債務承認行為（支払い意思の表明等）を行っていない
• 裁判上の請求（訴訟・支払督促）を受けていない
• 時効援用の意思表示を債権者に対して行っている
• 時効完成前に差押えなどの強制執行を受けていない

民法改正前は債権の種類によって時効期間が異なっていましたが、現在は「債権者が権利を行使できることを知った時から5年」に統一されています。携帯料金の場合、通常は支払期日の翌日から時効のカウントが開始されると解釈されています。

しかし実際には、携帯会社は定期的に督促状を送付したり、債権回収会社に委託したりすることで時効の完成を阻止しようとします。特に端末代金の分割払いが含まれる場合は、CICやJICCなどの信用情報機関への登録もあるため、より慎重な対応が求められます。

10年前の携帯未払いでも時効が成立しない場合がある

10年以上前の携帯料金の未払いがあっても、過去に裁判を起こされている場合は時効が10年に延長されるため注意が必要です。多くの方が「古い債務だから時効になっているはず」と考えがちですが、実際には様々な理由で時効が成立していないケースが存在します。

特に大手キャリアは、強制解約後も継続的に債権回収に取り組んでおり、簡易裁判所での支払督促や少額訴訟を積極的に活用しています。これらの法的手続きが行われると、判決確定日から新たに10年間の時効期間が開始されてしまいます。

10年前の携帯未払いで時効が成立しないケース

状況	時効への影響	対処法
過去に裁判を起こされた	判決確定から10年に延長	判決日の確認と再計算が必要
債権回収会社に譲渡済み	譲渡日に関係なく継続	譲渡先への時効援用手続き
途中で一部支払いをした	支払日から5年にリセット	最後の支払日から再計算
支払い意思を表明した	表明日から5年にリセット	債務承認の有無を慎重に確認

また、NTTドコモの場合は2012年7月以降の請求分についてNTTファイナンスに債権譲渡を行っており、譲渡先での管理体制も整備されています。ソフトバンクについても、ニッテレ債権回収を通じた積極的な回収活動が行われているため、単純に期間だけで判断するのは危険です。

10年以上前の未払いがある場合は、まず当時の契約内容や支払履歴を正確に把握することから始める必要があります。携帯会社や債権回収会社に直接問い合わせる際は、債務承認にならないよう慎重な対応が求められます。

ドコモやauなど大手キャリアでも時効の踏み倒しは困難

大手キャリア各社は債権管理体制を強化しており、時効による債権の消滅を防ぐための様々な法的措置を講じています。特にNTTドコモは他社と比較して積極的に裁判手続きを活用する傾向があり、単純な時効狙いは極めて困難な状況となっています。

各キャリアとも、強制解約後も継続的な督促を行い、債権回収会社への委託や弁護士法人を通じた法的手続きを組み合わせています。これらの措置により時効の更新が繰り返され、実質的に時効成立が阻止されているのが現実です。

大手キャリア別の債権回収の特徴

キャリア	債権回収の特徴	主な委託先
NTTドコモ	裁判手続きを積極活用	NTTファイナンス・NTS総合弁護士法人
KDDI（au）	継続的な督促と法的措置	各種債権回収会社
ソフトバンク	ニッテレ債権回収を活用	ニッテレ債権回収・オリックス銀行
楽天モバイル	比較的新しいため情報限定	各種債権回収会社

特にドコモの場合、代理人弁護士を通じた「督促のご通知」や「法的手続の準備に入らざるを得ません」といった文書が送付されることが多く、これらは時効更新を狙った戦略的な措置と考えられます。実際に支払督促や少額訴訟に発展するケースも珍しくありません。

時効成立が困難な理由

• 定期的な督促状送付による時効更新の試み
• 債権回収会社への委託による専門的な回収活動
• 簡易裁判所での法的手続きの積極的な活用
• 信用情報機関への登録による長期的な管理
• 給与差押え等の強制執行による確実な回収

また、端末代金の分割払いが含まれている場合は、CICやJICCへの信用情報登録により、完済または時効援用まで事故情報が残り続けます。これにより、新規のクレジットカード契約や住宅ローンの審査にも長期間影響を与えることになります。

携帯の時効援用にはデメリットとリスクが存在する

時効援用は法的に認められた権利ですが、携帯契約においては予想外のデメリットやリスクが伴います。特に社内ブラックリストへの永続的な登録や、他社契約時の審査への影響など、長期的な不便を覚悟する必要があります。

時効援用を行った携帯会社では、たとえ法的な支払い義務が消滅しても、社内の顧客データベースに債務不履行の記録が残り続けることがほとんどです。このため、将来的にその会社での新規契約や機種変更が困難になる可能性があります。

時効援用の主なデメリット

• 社内ブラックリストへの永続的な登録
• 時効援用した会社での将来の契約不可
• 信用情報の回復に時間がかかる場合がある
• 道徳的な負担や社会的な印象への影響
• 家族名義での契約も審査に影響する可能性
• 法的手続きの費用（司法書士・弁護士費用）

また、時効援用の手続きには内容証明郵便での通知が必要で、自分で行う場合でも郵送費用がかかります。司法書士に依頼する場合は3～4万円程度、弁護士の場合は5～8万円程度の費用が必要となり、滞納金額によっては費用対効果を慎重に検討する必要があります。

さらに、時効援用後も信用情報機関のデータ処理には時間がかかることが多く、CICの場合は時効援用成功後も最大5年間情報が残る場合があります。一方、JICCは比較的早期（1～2か月）に削除される傾向がありますが、完全な回復には長期間を要することを理解しておく必要があります。

時効が更新される具体的なケースと注意点

時効の更新（旧法での中断）は、それまで進行していた時効期間が完全にリセットされ、ゼロから再スタートするという重大な効果があります。携帯料金の滞納においては、債権者側が意図的に時効更新を狙った行動を取ることが多いため、債務者側の対応には細心の注意が必要です。

特に危険なのは、携帯会社からの連絡に対して安易に「支払います」と回答したり、「分割払いにしてください」と相談したりすることです。これらの発言は債務承認とみなされ、その時点で時効がリセットされてしまいます。

時効が更新される具体的なケース

1. 一部支払い：わずかでも滞納分を支払った場合
2. 債務承認：「支払います」「分割にしてください」等の発言
3. 裁判上の請求：訴訟・支払督促の申立て
4. 差押え・仮差押え：強制執行手続きの開始
5. 書面での承認：支払計画書への署名等

携帯会社や債権回収会社は、これらの更新事由を戦略的に活用しています。例えば、「今月だけでも1,000円払ってもらえませんか」といった提案や、「支払い意思があることを確認させてください」といった電話での確認は、すべて時効更新を狙った行為と考えるべきです。

また、債権者側からの催告（督促状の送付など）は時効を6か月間停止させる効果があり、その間に裁判等の手続きを取ることで時効の完全な更新を図ることができます。このため、5年近く経過した債権についても、継続的な督促により時効成立が阻止されているケースが多く見られます。

債権回収会社への譲渡後も時効期間は変わらない

携帯会社が債権を債権回収会社に譲渡しても、時効の起算点や期間は変更されず、元の債権と同じ条件で時効が進行します。ただし、債権回収会社は回収の専門業者であるため、より積極的かつ組織的な回収活動を展開する傾向があります。

代表的な例として、ソフトバンクからニッテレ債権回収への譲渡や、NTTドコモからNTTファイナンスへの譲渡があります。これらの債権回収会社は法務大臣の許可を得た正当な業者であり、強力な法的権限を持って債権回収にあたります。

債権譲渡後の時効への影響

項目	譲渡前	譲渡後
時効起算点	最後の支払日/請求日	変更なし（継続）
時効期間	5年（裁判後は10年）	変更なし
時効援用の相手	携帯会社	債権回収会社
回収活動の強度	標準的	より積極的

債権回収会社への譲渡は時効更新事由には該当しないため、譲渡時点で時効がリセットされることはありません。しかし、譲渡後は新たな債権者として、内容証明郵便による督促や法的手続きを通じて時効更新を図ってくることが予想されます。

債権譲渡後の注意点

• 譲渡通知が届いても慌てて連絡しない
• 時効援用の相手が債権回収会社に変更される
• より積極的な回収活動が展開される可能性
• 法的手続きに発展するリスクが高まる
• 信用情報の管理も譲渡先で継続される

また、債権譲渡された時点で信用情報機関への登録も「移管終了」として処理され、譲渡から5年後に自動削除される仕組みになっています。しかし、譲渡先でも継続的に管理されるため、完全な解決には時効援用か完済が必要となります。債権回収会社からの連絡があった場合は、安易に対応せず、専門家への相談を検討することが重要です。

携帯代の滞納から時効援用までの実践的な対処法

ここでは携帯料金の滞納問題を実際に解決するための具体的な方法について詳しく解説します。時効援用という選択肢がある一方で、実際には多くのリスクや制約が存在するため、状況に応じた適切な判断が必要です。

時効援用を検討している方にとって重要なのは、手続きの具体的な流れを理解するだけでなく、援用後の生活への影響や他の解決策との比較検討です。また、滞納中でも利用可能な携帯サービスや、信用情報の回復プロセスについても実用的な情報を提供します。

債務整理との比較や、過去の未払い履歴の調査方法など、実際の問題解決に直結する内容を中心に、現実的で実行可能な対処法をご紹介します。

• 携帯料金の未払いで時効援用を行う具体的な手順
• 時効援用後でも新規契約が困難な現実
• 10年前の携帯未払いを調べる方法と確認手順
• 携帯の未払いがある状態での新規契約の可能性
• 時効を待つより債務整理を選ぶべき判断基準
• 信用情報機関からの削除タイミングと回復期間
• 携帯代が滞納状態でも契約できる格安SIMは3社ある

携帯料金の未払いで時効援用を行う具体的な手順

時効援用は内容証明郵便による正式な意思表示が必要で、単に時効期間が経過しただけでは効力が発生しません。手続きには法的な知識と正確な書面作成が求められるため、自己流で進めるとかえって不利になるリスクがあります。

特に携帯料金の場合、債権者が大手キャリアや債権回収会社であることが多く、専門的な法的対応を取ってくる可能性が高いため、慎重な手続きが必要です。一度でも手続きに失敗すると、債務承認とみなされて時効がリセットされる危険性もあります。

時効援用の基本手順

1. 時効成立の確認：最後の支払い・請求から5年経過の確認
2. 債権者の特定：現在の債権者（譲渡先含む）の正確な把握
3. 時効援用通知書の作成：法的要件を満たした書面の準備
4. 内容証明郵便での送付：配達証明付きでの正式な通知
5. 相手方の反応確認：異議申立てや法的措置の有無を確認
6. 信用情報の確認：CIC・JICCでの登録状況の確認
7. 完了確認：債権者からの取下げ書面等の受領

時効援用通知書には、債務の特定（契約番号・請求番号等）、時効期間の経過、時効援用の意思表示を明確に記載する必要があります。また、過去に裁判を起こされている可能性がある場合は、事前に裁判記録の確認も欠かせません。

時効援用手続きの注意点

• 債権者への事前連絡は厳禁：債務承認になるリスク
• 一部支払いは絶対に避ける：時効更新の原因となる
• 時効期間の計算は慎重に：裁判歴の有無で大きく変わる
• 複数債権は同時処理：個別対応では矛盾が生じる可能性
• 専門家への相談を推奨：司法書士費用3-4万円程度

実際の手続きでは、債権回収会社から「分割払いにしませんか」といった誘導的な連絡が来ることがありますが、これに応じると債務承認となって時効がリセットされます。また、時効援用後も相手方が異議を申し立てる場合があるため、最終的な解決まで数か月を要することも珍しくありません。費用を考慮すると、滞納額が少額の場合は完済を検討することも重要な選択肢です。

時効援用後でも新規契約が困難な現実

時効援用が成功しても、携帯電話の新規契約が困難になる現実を理解しておく必要があります。法的な支払い義務は消滅するものの、各携帯会社の社内データベースには債務不履行の記録が永続的に残るケースがほとんどです。

特に時効援用を行った携帯会社では、将来的な再契約はほぼ不可能と考えるべきでしょう。他社での契約についても、TCAやTELESAを通じた情報共有により審査が厳しくなる傾向があります。

時効援用後の契約困難の原因と対策

困難の原因	影響範囲	対策方法
社内ブラックリスト	時効援用した会社のみ	他社での契約を検討
TCA・TELESA情報	大手キャリア全体	非加盟の格安SIM利用
信用情報の残存	端末分割購入不可	一括購入またはSIMのみ契約
家族契約への影響	同一世帯の審査	別住所での契約検討

実際の影響として、時効援用から5年以上経過した後でも、元の契約会社での新規契約を断られるケースが報告されています。これは「自然債務」という考え方に基づく措置で、法的な支払い義務はなくても道義的な債務は残るという携帯会社独特の判断によるものです。

契約困難な状況での対処法

• 審査なし格安SIMの利用を検討する
• プリペイド携帯での一時的な対応
• 家族名義での契約（使用者登録）
• レンタルスマホサービスの活用
• 端末一括購入での審査回避
• MVNO（格安SIM）への切り替え

特に注意すべき点として、時効援用後も信用情報機関のデータ処理には時間がかかる場合があります。CICでは時効援用成功後も最大5年間情報が保持される可能性があり、この期間中は端末の分割購入審査に通らない状況が続きます。JICCは比較的早期（1-2か月）に削除される傾向がありますが、完全な信用回復には長期間を要することを覚悟する必要があります。

10年前の携帯未払いを調べる方法と確認手順

10年以上前の携帯料金の未払いを調査する際は、債務承認にならない方法で慎重に進めることが最も重要です。安易に携帯会社に問い合わせると、それだけで時効がリセットされる危険性があるためです。

特に長期間放置されている債権の場合、債権回収会社に譲渡されている可能性が高く、現在の債権者を正確に把握することから調査を開始する必要があります。間違った相手に連絡すると、不要な混乱を招く原因となります。

安全な調査手順

1. 信用情報の開示請求：CIC・JICCから自分の情報を取得
2. 過去の住所確認：当時の契約住所と現住所の整理
3. 家族への聞き取り：契約時の状況や支払い履歴の確認
4. 郵便物の確認：督促状や法的書面の有無をチェック
5. 専門家への相談：司法書士による債権調査の依頼
6. 裁判記録の確認：簡易裁判所での訴訟歴の調査
7. 時効期間の計算：正確な起算点と経過年数の確定

信用情報機関への開示請求は最も安全で確実な方法です。CICは1,000円、JICCは1,000円の手数料で、現在登録されている情報を取得できます。ここで携帯電話に関する登録があれば、契約番号や未払い金額、登録日などの詳細情報が判明します。

調査時の重要な注意点

• 携帯会社への直接連絡は禁止：債務承認のリスクが高い
• 料金センターへの問い合わせも危険：記録が残る可能性
• 家族からの問い合わせも注意：代理人とみなされる場合
• ショップでの契約番号確認のみ可：支払い相談は厳禁
• 書面での記録は保管：後の手続きで必要となる

どうしても携帯会社に確認が必要な場合は、「昔の電話番号を知りたい」程度の質問に留め、未払いや支払いに関する話題は一切出さないよう注意が必要です。また、債権回収会社から過去に連絡が来ていた場合は、その書面を保管しておくことで、現在の債権者や債権額を把握することができます。専門家に相談する場合は、これらの資料を整理してから依頼すると、より正確で効率的な調査が可能になります。

携帯の未払いがある状態での新規契約の可能性

携帯料金の未払いがある状態でも、審査基準や加盟団体の違いにより新規契約が可能な場合があります。ただし、選択肢は限られており、通常の大手キャリアでの契約は困難と考えるべきでしょう。

重要なのは、TCAやTELESAといった不払い者情報を共有する団体に加盟していない事業者を見つけることです。これらの格安SIM事業者では独自の審査基準を設けており、過去の滞納歴があっても契約できる可能性があります。

未払い状態での契約選択肢

• 審査なし格安SIM：誰でもスマホ・あなたのモバイル等
• TCA非加盟事業者：エキサイトモバイル・IIJmio等
• プリペイド携帯：前払い式で審査不要
• レンタルスマホ：短期利用向けサービス
• 家族名義契約：使用者登録での利用
• 海外キャリア系MVNO：独自審査基準の事業者

契約時の状況別対応方法

未払い状況	契約可能性	推奨対応
強制解約後5年未満	大手キャリアは困難	審査なし格安SIMを選択
強制解約後5年経過	一部事業者で可能	TCA非加盟事業者を検討
端末代分割残債あり	分割審査は困難	SIMのみ契約または一括購入
複数社で未払い	選択肢が大幅に限定	審査なしサービス優先

実際の契約時には、端末の購入方法も重要な要素となります。信用情報に傷がある場合、端末の分割購入審査は通らない可能性が高いため、SIMカードのみの契約や端末の一括購入を検討する必要があります。

また、格安SIMの中には口座振替に対応していない事業者も多く、クレジットカードが必要になる場合があります。この点でも審査なし格安SIMは有利で、コンビニ決済や銀行振込に対応しているサービスが存在します。契約前に支払い方法や必要書類を確認し、自分の状況に適したサービスを選択することが成功の鍵となります。

時効を待つより債務整理を選ぶべき判断基準

携帯料金の滞納問題において、時効を待つよりも債務整理を選択すべきケースが実際には多いのが現実です。特に債権回収会社の積極的な法的措置や、信用情報への長期的な影響を考慮すると、早期の解決が有利になる場合があります。

時効成立には5年または10年という長期間が必要で、その間にも様々なリスクが存在します。債務整理であれば数か月から1年程度で根本的な解決が図れるため、総合的に判断して有利な選択となることが多いのです。

時効待ちと債務整理の比較

項目	時効を待つ場合	債務整理の場合
解決期間	5年～10年	数か月～1年
費用	時効援用費用3-4万円	任意整理3-4万円
リスク	時効更新・裁判の可能性	低リスク
信用情報	長期間事故情報が残存	完済後5年で削除
新規契約	困難な状況が継続	完済後は改善

債務整理を選ぶべき判断基準チェックリスト

• 滞納期間が3年未満である
• 定期的な督促が継続している
• 債権回収会社から連絡が来ている
• 裁判の可能性が示唆されている
• 他にも借金がある
• 住宅ローン等の予定がある
• 家族への影響を避けたい
• 精神的負担を早期に解消したい

任意整理の場合、携帯料金も他の債務と同様に3～5年の分割払いで和解できるケースが多く、月々の支払い負担を大幅に軽減できます。また、利息や遅延損害金の免除交渉も可能で、元金のみの分割払いとなることが一般的です。

個人再生や自己破産についても選択肢となる場合があり、特に他の借金と合わせて総額が大きくなっている場合は、これらの手続きを検討する価値があります。自己破産であれば携帯料金を含むすべての債務が免責となり、個人再生では大幅な債務圧縮が可能です。いずれの場合も、時効を待つよりも短期間で確実な解決が図れるため、現実的な選択肢として検討することをお勧めします。

信用情報機関からの削除タイミングと回復期間

携帯料金の滞納による信用情報への影響は、信用情報機関ごとに削除タイミングや条件が大きく異なるため、正確な理解が重要です。特にCICとJICCでは時効援用後の処理方法が違うため、回復戦略も変わってきます。

また、端末代金の分割払いと通信料金では登録される情報機関も異なるため、自分の状況に応じた適切な回復計画を立てることが必要です。単純に時間の経過を待つだけでなく、積極的な対応により回復期間を短縮できる場合もあります。

信用情報機関別の削除タイミング

信用情報機関	完済時	時効援用時	特記事項
CIC	完済から5年後	最大5年保持の場合あり	異動発生日の記載有無で変動
JICC	完済から5年後	1～2か月で削除	時効援用に対して迅速対応
KSC	完済から5年後	完済から5年後	銀行系の情報は限定的
TCA・TELESA	完済後に削除	時効援用後も残存の場合	携帯業界独自の管理

CICの場合、時効援用が成功すると残高が「0」、終了状況が「完了」に変更されますが、保有期限は「5年後の日付」が設定されることが多く、この期間は情報が残り続けます。ただし、異動発生日が空欄の場合は時効援用後すぐに削除される場合もあります。

信用情報回復のための手順

1. 現状確認：CIC・JICCから開示請求で登録状況を確認
2. 完済または時効援用：根本的な債務問題の解決
3. 削除確認：手続き後の情報更新状況をチェック
4. 異議申立て：誤った情報がある場合の訂正請求
5. 段階的利用：小額からクレジット利用実績を積む
6. 定期確認：年1回程度の継続的なモニタリング

信用情報の回復過程では、債権回収会社に譲渡された債権の場合、譲渡時点で「移管終了」として処理され、譲渡から5年後に自動削除される仕組みもあります。この場合、元の携帯会社での時効援用は信用情報に直接影響しないため、削除タイミングが早まる可能性があります。

回復期間を短縮するためには、完済後の信用情報削除を待つだけでなく、携帯電話の新規契約や少額のクレジットカード利用などで良好な支払い実績を積み重ねることが有効です。ただし、信用情報機関への登録が完全に削除されるまでは、高額なローンやクレジットカードの審査は困難な状況が続くことを理解しておく必要があります。

携帯代が滞納状態でも契約できる格安SIMは3社ある

携帯料金の滞納があっても契約可能な格安SIMとして、審査なしを明確に謳っているサービスが3社存在します。これらのサービスは、従来の携帯会社とは異なる審査基準や支払い方法を採用しており、滞納歴がある方でも新規契約が可能です。

審査なし格安SIM3社の比較

サービス名	初期費用	月額料金（3GB）	支払い方法	特徴
誰でもスマホ	2円～	3,250円	口座振替・コンビニ決済	全国店舗でサポート
だれでもモバイル	0円～	3,700円	口座振替	データ専用プランあり
サンシスコン	980円～	3,580円	口座振替・銀行振込・コンビニ決済	業界最安値の初期費用

これらのサービスの最大の特徴は、TCAやTELESAなどの不払い者情報を参照しない独自の審査基準を採用していることです。そのため、大手キャリアで滞納歴があっても契約が可能になっています。

審査なし格安SIMの対象者

• 携帯料金の滞納歴がある方
• 強制解約の経験がある方
• 信用情報にキズがある方
• クレジットカードを持っていない方
• 銀行口座を持っていない方（サンシスコンのみ）
• 大手キャリアの審査に落ちた方
• 生活保護受給者などの方

誰でもスマホは全国に店舗があるため対面サポートを重視する方に適しており、だれでもモバイルはデータ専用プランも選択できるため通話機能が不要な方には選択肢となります。

契約時の注意点として、これらのサービスは前払い制を採用している場合が多く、契約時に事務手数料と翌月分の月額料金を同時に支払う必要があります。また、端末については中古品や型落ちモデルが中心となるため、最新機種を希望する場合は別途用意する必要があります。しかし、滞納状態でも確実に携帯電話を利用できる貴重な選択肢として、多くの方に活用されているサービスです。

まとめ

本記事のポイントをまとめます。

• 携帯料金の滞納は民法166条により原則5年で時効が成立する
• 時効成立には時効援用という法的手続きが必要である
• 過去に裁判を起こされた場合は時効期間が10年に延長される
• 大手キャリアは積極的に法的措置を取り時効成立を阻止している
• 一部支払いや債務承認により時効がリセットされるリスクがある
• 債権回収会社への譲渡後も時効期間は変わらない
• 時効援用は内容証明郵便による正式な通知が必要である
• 時効援用後も新規契約は社内ブラックにより困難になる
• 10年前の未払い調査は信用情報開示請求から始めるのが安全である
• 滞納中でも審査なし格安SIMなら新規契約が可能である
• 時効を待つより債務整理の方が短期間で確実に解決できる
• CICとJICCでは時効援用後の削除タイミングが異なる
• 誰でもスマホ・だれでもモバイル・サンシスコンが滞納中でも契約可能である
• 時効援用には司法書士費用として3-4万円程度が必要である
• 信用情報の完全回復には完済または時効援用後も長期間を要する